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![]() 私の現在の研究テーマは介護ですが、日本の介護保険制度は、実はいま世界中が注目する研究対象です。ドイツがモデルだと言われていますが、日本はドイツとも違う、世界のどこにも類例のない制度を作り、2000年からスタートして8年たちました。この8年間の経験には、世界に他に比較するもののないユニークな情報の蓄積があります。一昔前なら、たとえばイギリスの社会保障政策とか、アメリカの介護労働者問題などを研究するだけで学問として成立したかもしれませんが、今日では、日本ローカルな独自の状況を世界に発信することにこそ、グローバルな意味があります。 日本にも、日本のオリジナルな経験の中から生まれたオリジナルな研究成果が出てきています。しかし、残念ながら研究者に英語の情報発信力がない。英語で発信しなければ、誰も聞いてくれません。どれだけ業績があっても、グローバルには「存在しないNon-existent」も同然です。 私は、教壇で「バイリンガルになりなさい」と学生に教えています。私は英語圏で勝負することから撤退したけれど、それは、英語を放棄したということとは全く違います。バイリンガルになることは、これからの時代の研究者にとっては必須の生存戦略です。生き延びるためには、強いられた言語を使うほかない。そうでなければ世界の他の地域の人たちに理解されず、存在しないに等しいのですから。英語に屈したと見せかけて、その言語を逆手にとって、日本のオリジナルな経験に基づくオリジナルな研究を発表し、これまで誰も知らなかった現実や世界を構築していくことにこそ、私たちが恐ろしいほど膨大な時間と労力をかけて英語を学ぶ意義があるのではないでしょうか。そしてこれを行わない限り、今後、日本人研究者の存在意義は失われると思います。 |
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1948年生まれ。富山県出身。京都大学大学院社会学博士課程修了。京都精華大学助教授、ボン大学・コロンビア大学・メキシコ大学の客員教授などを経て、95年より東京大学大学院人文社会系研究科教授。 女性学、ジェンダー研究の先駆者であり、「セクシィ・ギャルの大研究」(1982年、光文社)「発情装置」(1998年、筑摩書房)などの著書で注目を浴びる、1994年「近代家族の成立と終焉」(岩波書店)でサントリー学芸賞を受賞。 近年は高齢者の介護問題を研究対象とし、2007年の近著「おひとりさまの老後」(法研)はベストセラーを記録している。