帰国後、悔しさをばねにして猛然と
英語論文を書き始めました。職場の日亜化学工業では社員の論文執筆活動を禁止していたので、隠れて書きました。私が初めて自力で書いた
英語論文は、青色発光ダイオードの開発を可能にしたツーフローMOCVDの装置についての論文です。
実験すると複数のデータが出ます。データには何の連関性も見出せない。ばらばらなデータをいかにつなぎ合わせて1つのストーリーを作るか、論文のよしあしはこれに尽きます。スマートな人はね、どんなデータが出ようが、カーブの線を描くような無理のないストーリーをうまく作るわけです。私はこれが得意なんですよ。だから私は
英語論文にはそれほど苦労していないと思いますよ。
社内ではおおっぴらに論文が書けなかったので、平日の5日間でデータを集めて、データからストーリーを考えて、土曜日曜で一気に書きました。書き始めると早くて5,6時間で書いちゃう。自分の中で熱いうちにストーリーを一気に吐き出したいので、文法も単語もでたらめです。この手の論文では、英語が重要ではないと私は思いますよ。といって、最初に書いた3本の
英語論文は、投稿したら全部あっさり落とされました。なぜかって?「英語がまずい」だって(笑)。