ロボットの研究をしていると日本独特の概念というのがあって、それが英語にはないものがたくさんあります。例えば、わびさびはlonelinessではない。でも、多くの人がそういうところに興味があるので日本の文化とロボットの文化と重ね合わせていろいろな話をしますが、日本にしかない概念を英語で説明するのはもどかしいですね。ぼくは人間の持つ存在感の本質を理解して工学に応用することを目指していますが、この「存在感」は、外国にはない言葉です。たぶん、feeling of presenceではない。「人間らしさ」にあたる言葉もありません。「心」はmindとheartの使い分けが必要です。要するに日本語でしかできない哲学というのがあるわけです。