日本人がよくする英語の間違いトップ20(4)

日本人が英語で文章を書くときに起こりやすい、典型的な間違いとはどのようなものでしょうか。どうにか正しい文法で英語の文章を書けるようになっても、それだけでは本当の意味での「正しい英語」は書けません。ここでは日本人がよくする悪い癖を取り上げ、その対応策を考えていきたいと思います。

1. 長すぎる文
日本人の書く日本語は、英語ネイティブの書く英語と比べると1文の長さが長いことが特徴です。このため、日本人の書く英文も長くなる傾向にあり、通常短い文を読み慣れた英語ネイティブには、内容の難易度にかかわらず読みにくいものとなっていきます。それに加え、情報が必要以上に満載され、受動態や間接代名詞などが多用され、文の構造が複雑になってくると、文法的には正しくても、普通の読者にはまったく解読不可能となってしまうことがあります。「1文に1情報」を基本と考え、文が3行以上に及んだら書き直しを考慮しましょう。
2. 取ってつけたような引用文
英語で出版された論文にもっと新しくて関連深いものがあるにもかかわらず、日本語で出版された古い論文を引用する人が目立ちます。参照論文は、引用したり比較したりすることによって、論文の信憑性を高めるために使うものなので、限られた読者にしか裏付けができない日本語論文の使用は、あまり意味のないことです。また、世界の研究の流れを把握していないと疑われることもありますので、日本語の論文を参照することはできるだけ避けるようにしましょう。
また引用をする場所が強引で、本文の流れがブツブツ途切れたようになるのも日本人の書く論文の特徴です。ほかの論文がどのようにして先行研究などを引用しているか、いつも気をつけておくことで、引用の仕方を少しずつ身につけてください。


3. 統一感の欠如
引用元の英語の影響かと思われますが、イギリス英語とアメリカ英語が入り交じったり、emailがEmailになったりe-mailになったりするなど、論文全体を通して統一感が欠けてしまうことが多いようです。括弧の使い方や略語の使用不使用など、最後に検索機能を使って機械的にチェックする癖をつけましょう。
4. 句動詞の誤用
“look up”などのように動詞のあとに前置詞や副詞がつく句動詞の使い方は、案外と難しいものです。とくに、下の例を見るとわかるように、句動詞の間に名詞が入るもの、入らないものなど、形式がいろいろあるので混乱しがちです。多くの場合、辞書に例文がありますので、慣れるまでは確認しながら使うように心がけてください。
誤:look up it; look it into
正:look it up; look into it
(Orr & Yamazaki 2004:30)
5. 連語の誤用
下の例に見られるような連語(決まり文句)は、辞書には載っていないことも多く、論文を書き慣れない人には、なかなか修得しにくい英語の1つです。他の人の論文を読むときに気をつけておくほか、少しおかしいなと思ったら、インターネットの検索エンジンで、ほかの人がどのような使い方をしているかを、まめに調べる癖をつけましょう。
誤:did an experiment
正:conduct an experiment
詳細は、専門誌『プロフェッショナル・コミュニケーション・カンファレンス2004(Professional Communication Conference, 2004)』に掲載された論文「日本人著者が書いた英語論文でしばしば見つかる20の問題(Twenty problems frequently found in English research papers authored by Japanese researchers)」(Orr & Yamazaki 2004)をご覧ください。

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