長すぎる 論文 は掲載されにくい?

「出版される論文の数は多ければ多いほどよいけど、あまり小分けにしすぎると掲載してもらえないかもしれない・・・」。「内容ももちろんながら、だいたい何ページぐらいに収めたらよいのだろう・・・」。
論文の長さについての悩みは、論文を書き慣れた人でも、なかなか簡単には答えが出せない問題です。長すぎる論文は掲載されにくいことをご存じですか? そこで今回は、論文の長さについて考えてみたいと思います。
ジャーナルのなかには、論文の長さに制限を設けているものもあります。たとえば、有名なトップジャーナル『サイエンス』では、「研究論文」では「4500語まで」、「報告」では「2500語」まで、「レビュー論文(総説)」では「6000語まで」と規定されています。語数ではなく、字数で規定される場合もあります。『PNAS』として知られる『アメリカ科学アカデミー紀要』は、「スペースを含めて3万9000字以内」と規定しています。


その場合、その制限内で「簡潔ながらも情報満載」となるように論文の構成を考えればよいでしょう。しかし、研究内容が幅広すぎて制限内では書けないと判断した場合には、無理をして1つの論文にまとめるのではなく、複数の論文に分割することも必要となります。ただし、複数の論文に分割するときには、投稿した論文すべてがジャーナルに掲載されないことも考慮に入れて、1つひとつの論文が自立したものになるよう、計画を綿密に練ってから挑んでください。
さて問題なのは、長さの制限がないジャーナルです。いったい何ページ程度に収めたらよいのでしょうか?
長すぎる論文は、内容がよくても掲載される可能性が低くなります。長い論文を読んでくれる査読者はなかなか見つかりませし、見つかったとしてもすぐには読んでもらえないでしょう。場合によっては、半年後の夏休み(または冬休み)まで待たされることになるかもしれません。また、仮に論文がジャーナル1冊全体の20パーセントを占める長さだとしたら、その半分の10パーセントを占める長さの論文よりも、2倍の価値が求められるとでしょう。つまり、長ければ長いほど掲載される 論文 の水準が引き上げられるということになります。このため、長さの制限がないジャーナルに投稿する場合でも、不要に論文を長くすることは避けたほうがよいでしょう。
長さの制限がないジャーナルに投稿すると決めたら、過去に発行されたジャーナルを2、3冊手に取って、各論文のページ数を調べることをお勧めします。このとき、 参照文献一覧はページ数として数えなくてよいでしょう。長いものや短いものもあると思いますが、標準として何ページぐらいを目標にすればよいかがわかると思います。ページ数の目安がわかれば、1行当たりの語数(または字数)、段組み数(2段がほとんど)、1ページ当たりの行数を数えてください。そうすれば、論文1本あたりの語数(や字数)の目安がつくでしょう。

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