日本人がよくする英語の間違いトップ20 (2)

日本人独特の英語の間違いを考えるシリーズの第2回は「些細なことなのにインパクトは最大」、そんな英語の間違いに注目したいと思います。論文を書き終わったあと、このリストを見ながらチェックしてみてください。
1. 冠詞(a, an, the, 無冠詞)の誤用
日本語にはない冠詞の使い方は、英語上級者でもなかなかマスターすることが難しいものの1つです。冠詞を誤用すると、意味がまったく変わってしまうこともあるので、校正を依頼するときには、論文の内容がある程度わかる人にお願いしたいものです。
2. 単数形と複数形の誤用
たとえば日本語の「研究」という言葉を英語にするとき、“research”と単数形にするのか、“researches”と複数形にするのかで、意味が変わります。同様に、「結果」を“results”と書いたにもかかわらず、論文に書かれている「結果」が1つしかなければ、読者が混乱し、論文の評価も下がるでしょう。論文を書き終わったら最後に、それぞれの名詞が適切に単数形または複数形になっているかどうかを、1つずつ確認してください。
3. 前置詞の誤用
前置詞は厄介なものです。前置詞には“in”や“by”など比較的使い分けがしやすいもののほかに、たとえばいずれも「〜の下に」を意味する“below”と“under”、“underneath”など、違いが微妙なものもあります。日本人は、日本語の影響で間違った前置詞を選ぶ癖があり、そのため思わぬ所で読者を混乱させる英文を書いてしまう傾向があります。自信がないときには必ず辞書で確認しましょう。また、辞書に例がなかった場合には、自分で書いた英文の一部を検索エンジンにかけてみるといいでしょう。どのような前置詞がよく使われているか、目安をチェックすることができます。


4. 数量を表す言葉の誤用
数えられる名詞(可算名詞)につく“many”と数えられない名詞(不可算名詞)につく“much”。“a”がつく場合とつかない場合とでは、意味が変わる“little”。量を表す言葉には落とし穴がたくさんあります。日本語の直訳で、「多くのシステム」を“most of systems”とするような“of”の誤用も、日本人特有のよくある間違いの1つです。英語でこれらの単語を使うときには、日本語の直訳にならないように 細心の注意を払ってください。また、校正してもらった論文を見ながら、自分がよくする間違いをリストにして、次からは検索機能を利用して最終チェックをするのも効果的でしょう。
5. 語彙の乏しさ
英語を母語とする人たちと比べると、語彙の豊富さはどうしても劣ってしまいます。こればかりは気長に学習していくほかに解決方法はありません。しかし、ちょっとした裏技を使うと、ずいぶん印象が変わるのをご存知ですか? 語彙の少なさに起因することで、最も英語ネイティブの目につくのが、「同じ動詞の繰り返し」です。“give”や“study”など、同じ動詞が何文にも渡って何度も繰り返し使われていたら、同義語・類義語を探して置き換えるようにしましょう。「Thesaurus(シソーラス)」と呼ばれる「同義語・類義語辞典」を使うと便利です。
詳細は、専門誌『プロフェッショナル・コミュニケーション・カンファレンス2004(Professional Communication Conference, 2004)』に掲載された論文「日本人著者が書いた英語論文でしばしば見つかる20の問題(Twenty problems frequently found in English research papers authored by Japanese researchers)」(Orr & Yamazaki 2004)をご覧ください。

X

今すぐメールニュースに登録して無制限のアクセスを

ユレイタス学術英語アカデミーのコンテンツに無制限でアクセスできます。

* ご入力いただくメールアドレスは個人情報保護方針に則り厳重に取り扱い、お客様の同意がない限り第三者に開示いたしません。