論文執筆に便利なソフトやウェブサービス

日本の70代の人に聞くと、コンピュータに触ったこともないという人がかなりいます。それに比べると、アメリカでのコンピュータの普及度は目を見張るものがあり、80代の人たちでもメールアドレスを持ち、フェイスブックでコメントするのが趣味という人たちに多く出会います。
そんなアメリカだからこそ、英語で論文を書くためのソフトウェアも、無料のフリーウェアからかなり高額なものまで、数多く出回っています。もうすでにいくつもの種類をお使いの人もいると思いますが、今回はひと通りどのようなものがあるのかを見てみたいと思います。

構成
博士論文や本などの長編を執筆するときは、全体の構成を決めるだけでも大変な作業です。それを手助けするのが「Scrivener」や「StyleEase」など、一般に“Paper Format Software”と呼ばれるソフトウェアです。入力したアイデアを、Microsoft Wordなど、他のフォーマットに変換する機能を持つソフトウェアもあります(Scrivenerの初期設定についてはこちらのブログで詳しく解説されています)。

スペルミスや類義語
ご存知の通り、Microsoft社のWordやOpen Officeでは、英語のスペルを間違うとその場で警告してくれる「文章校正」機能があります。これらは通常の書類作成にはたいへん便利ですが、専門用語の多い学術論文では十分だとはいえないのが事実です。そこで、スペルが苦手という研究者のためにつくられたのが、各分野をターゲットにした文章校正ソフトウェアです。たとえば医療分野だったら「Medical Spell Check」などがあります。インターネットで自分の分野をキーワードに探すとよいでしょう。
また英語では、同じ動詞や形容詞を繰り返し使うことを嫌うため、類義語を探してくれる機能もあります。この機能は、Microsoft社のWordやOpen Officeにも掲載されていますが、もう少しパワーアップしたければ、「WhiteSmoke」など“Grammar Checker Software”がお勧めです。

参考文献一覧
とくにお勧めしたいのが、この“Bibliography Software”とか“Reference Management Software”と呼ばれる参考文献一覧作成用のソフトウェアです。各ソフトウェアによって多少の違いはありますが、一度先行文献の情報を入力しておくと、MLA StyleやChicago Manual of Styleなど主流の書式に自動的に書き直してくれます。「EndNote」や「RefWorks」などこれらのソフトウェアの種類や特徴を表した比較表がwikipediaに掲載されていますので、参照してみてください。

共同研究
共同研究でほかの人とドキュメントを共有したり、違う場所にある複数のコンピュータを使ったりして論文を書く場合には、ドキュメント(文書)の移動や管理だけでも一仕事です。そのような場合、「DropBox」や「Evernote」など、“Web-Based File Hosting Service”が便利でしょう。この分野の進展は目を見張るものがあり、Apple社も「iCloud」を、Google社も「Google Drive」というサービスを始めました。より便利で使いやすいWeb-Based File Hosting Serviceを、適時探し続けていきましょう。

編集
どんなに英語が上手になっても、論文が一通り書きあがったら、最後は英語を母国語とし、なおかつその論文のテーマに多少精通している人にネイティブチェックしてもらいたいものです。周囲に適した人がいない場合は、専門的な学術論文の校正や編集を専門とする会社がありますので、費用だけでなく、校正者の論文執筆の経験などをよく比較し、自分の論文に適した校正者を探しましょう。

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