論文出版のための学術論文翻訳者の探し方

一生懸命研究を進め、論文を書き上げた後は、いよいよ学術論文翻訳者を探す時です。翻訳するメリットはわかっていても、次のステップへ進むのは大変に感じるものです。原稿を任せられる翻訳会社を見つけるのは簡単ではありません。

そこで、より簡単にプロジェクトに最適な翻訳会社を探すための手順をご紹介します。

できるだけ多くのレビューを読む

何よりもまず、候補となる翻訳会社についての利用者の声を読むことです。カスタマーレビューから会社に関するかなり多くの情報が得られるので、このステップは重要です。候補となる翻訳会社についてできるだけ多くのレビューを見て、顧客がサービスに対してどの程度の満足度を示したか確認してください。

また、顧客中心主義の翻訳会社では、アンケートを実施しています。そのような顧客からのフィードバックを歓迎する会社であれば、良い兆候です。検討している会社がアンケート結果を開示していれば、目を通しておきます。

顧客からのコメントを熟読し、気になる点があれば問い合わせをしましょう。

顧客の確認

顧客からのフィードバックを読んで候補を絞り始めたら、次のステップとして、その会社が過去に他の学術論文の著者と仕事をしたことがあるかどうかを確認します。顧客の情報からは、これまで翻訳した論文の本数や依頼する学術分野を専門としているかなど、重要な情報を得ることができます。さらに、ポートフォリオに目を通すことで、これまでに手がけた論文の種類や品質を確認することができます。

翻訳者についての情報を得る

プロジェクトを依頼する言語サービスプロバイダー(LSP)との連携はスムーズに運ぶことが理想的です。

まず、翻訳担当者がターゲット言語のネイティブスピーカーであるかを確認します。学術翻訳の場合、特に翻訳の正確さが問われることを考えると、翻訳者の適正を検討する必要があります。

次に、その分野での専門性を考慮します。学術翻訳は、理論、仮説、科学的研究などが複雑に絡み合う、高度に専門化した分野です。そのため、その分野の専門家である翻訳者でなければ、研究内容が意図したとおりに翻訳されているか確認することが困難です。

ネイティブスピーカーであり、かつ分野の専門家である翻訳者に担当してもらえるかの確認と同時に、次のような質問をするのもよいでしょう。

  • 翻訳者の教育レベルはどの程度ですか?
  • 翻訳者は特定の分野でどの程度の経験がありますか? (分野での研究経験、論文発表の経歴など)
  • 翻訳者を採用する際に、どのように審査していますか?
  • 翻訳者が常に最新の情報を得られるよう、どのような工夫をしていますか? 翻訳者に追加トレーニングの受講を義務付けていますか?

翻訳会社がどのように品質を保証しているかを確認する

言語サービスプロバイダー(LSP)を選ぶ際、最終原稿はどのようにチェックされるかなど、品質保証のプロセスについて質問してください。正確さを期すには、両言語に精通した担当者が原稿に目を通すことが必要です。

翻訳作業は言語に関わる複雑な問題が発生しうるため、このチェックの工程は非常に重要です。翻訳された原稿は、その後、文法の確認など英文校正を行ないます。校正後の納品された原稿も要望に沿うものであるか、また出版社に提出できるものであるかを確認しましょう。

カスタマーサービスについて聞く

翻訳会社に問い合わせた時からプロジェクト終了の時まで、優れたカスタマーサービスが提供されるべきです。翻訳プロセスを通じて窓口となるプロジェクトマネージャーが割り当てられるかどうかも確認します。また、質問や問題に対応できる体制が整っているか、懸念事項がある場合にどの程度迅速に対応してくれるか予め確認しておくとよいでしょう。

さらに、予算やスケジュールなど、要望に柔軟に対応できる会社かどうかという点も、求めるサービスの程度を測る目安になります。

追加のニーズが発生した場合に備えて、翻訳後のサポートがあるかどうかも確認してください。

データセキュリティのレベルを確認する

学術論文の翻訳は、機密性の担保される信頼できる翻訳会社に依頼しなければなりません。ターゲット言語で出版する準備が整うまで、研究内容は完全に機密として扱われる必要があります。

データセキュリティ・プログラムを導入していることを保証するISO 17100認定を受けた学術論文に特化した翻訳会社を選ぶことをおすすめします。さらに、原稿の機密保持を保証する秘密保持契約書を提供するLSPを選ぶと良いでしょう。

翻訳者を探す場合、セキュリティに妥協してはいけません。少しでも不安がある場合は、別の翻訳会社を探して原稿を依頼しましょう。

料金の内訳を確認する

LSPを決定する際に最も重要なのは、コストです。依頼する原稿の内容をよく確認した上で、すべてのコストを網羅する正確な見積書を作成してもらいましょう。費用に影響を与える要因には、以下のようなものがあります。

  • 言語ペア:言語のニュアンスは非常に複雑で、他の言語に比べて翻訳が困難な言語もあります。例えば、希少言語のペアは、経験豊富な翻訳者を見つけることが難しいため、一般的な言語ペアよりも高額になります。また、必要なターゲット言語の数も料金に影響します。

対象読者:原稿がより専門的な対象読者向けた内容である場合、より複雑な翻訳作業になり、価格も高くなります。

プロジェクトの納期:原稿の納期が迫っている場合、翻訳チームの人員を増やす必要があり、翻訳料金は高くなります。

適切な学術翻訳サービス会社を見つけるには時間がかかるかもしれませんが、新しい読者の受ける第一印象が良くなると考えると、調査する価値はあります。一流の翻訳パートナーを見つけることで、新しいターゲット市場に向けた最高の翻訳原稿を作成することができます。

概要

学術論文を翻訳することは、論文を数え切れない新たな読者と分かちあうための素晴らしい方法です。紹介するステップに従って、プロジェクトに適した翻訳者を探しましょう。しっかり下調べを行なうことで、ニーズにあう翻訳会社を見つけることができるでしょう。

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