欧州医療機器規則(EU MDR)対応で求められる翻訳・ローカライズ

医療機器メーカーが新製品を開発する場合、従うべき規制は広範囲にわたります。50万種以上の医療機器が市場に出回る欧州連合(EU)では、医療機器に関わる企業は欧州医療機器規則(EU MDR)と呼ばれる最新のルールに従う必要があります。このMDRは、EU市場で医療機器販売を行う世界中の企業に影響を与え、関連文書の翻訳・ローカライズもその大きな要件となっています。

欧州医療機器規則(EU MDR)とは

欧州医療機器規則(EU MDR)とは、欧州全域での医療機器の製造・流通を規制する新しいルールで、欧州で医療機器を販売する事業者にはその遵守が義務付けられています。規則では、医療機器メーカーは製品のライフサイクル全体についての説明責任を負い、また、ラベルを、それが販売される国の言語に翻訳することが義務付けられるなど、製品ラベルについての規制もより厳しくなっており、医療機器の技術情報を患者により分かりやすくしやすくする必要も生じています。さらに、EUにおける従来の規則「医療機器指令(MDD)」とは違い、ソフトウェアが医療機器として明確に定義されています。

規則の遵守に不可欠なローカライズ

欧州医療機器規則(EU MDR)が発効したことで、医療機器に関わる文書の翻訳およびローカライズの必要性がさらに高まりました。EUに加盟するそれぞれの国の管理に委ねるのではなく、企業が責任を持って翻訳を仕上げることが求められています。

欧州医療機器規則に対応するためには、次のような手順が必要です。

– 関連する文書の、EUの全24の公用語への翻訳。公用語は、ブルガリア語、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、ハンガリー語、アイルランド語、イタリア語、ラトビア語、リトアニア語、マルタ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、スロバキア語、スロヴェニア語、スペイン語、ウェーデン語です。正確な翻訳とコンプライアンスのために、医療・ライフサイエンス分野を専門とする翻訳会社に依頼することが重要です。

– 販売する地域のニーズに合わせたコンテンツの翻訳・ローカライズ。医療従事者や患者を含むすべての医療機器ユーザーに、使用方法を完全に理解してもらうことは非常に重要です。そのため、添付文書、取扱説明書、使用説明書などは、国や地域に合わせて細かくに調整する必要があり、意味をあいまいにしかねない言い回しや慣用句、文化的に別の意味合いを帯びるような言葉には注意を払わねばなりません。

– 医療・ライフサイエンス分野の高い専門性を持つ翻訳・ローカライズ会社への発注。高度に専門的な医療機器の場合、医療・ライフサイエンス分野を専門とする翻訳者や校正者でなければ正確な翻訳・ローカライズはできません。そうした会社を選ぶことで、必要な情報を効果的に伝達できる適切な翻訳・ローカライズが可能になります。

– 製品登録、臨床試験、販売情報の新規データベースへの翻訳データの保存。消費者、医療機器メーカー、規制当局が、欧州で販売されている医療機器の最新情報にアクセスし、確認できるようにするためのデータベースです。各国語の話者が検索と確認をできるよう、翻訳・ローカライズした内容をチェックした上でデータを保存します。

– EU基準への適合を示す欧州適合(CE)認証を受ける前の翻訳。従来は、医療機器の場合、CE認証を受けた後に翻訳が必要とされましたが、使用説明書など一部の翻訳を予め提出することが必要となりました。ここでも翻訳に正確さが求められるため、翻訳・ローカライズを委託する会社の選定が重要です。

翻訳・ローカライズに欠かせない品質管理

MDRでは、医療機器メーカーにリスクマネジメントと品質管理に関連するサプライチェーンの透明性を実証することが求められます。関連する文書やラベルなどの翻訳においても、品質管理やリスクマネジメントの観点から、医療・ライフサイエンス分野の高い専門性を持ち、ISO 13485認証を取得している翻訳会社を利用することが望ましいでしょう。ISO13485では、以下のような点で翻訳会社、言語サービスプロバイダーを評価し認証しています。

– リスクを効果的に管理
– 全ての法律および規制要件の遵守
– 全ての工程における必要な基準を準拠
– 優れた品質マネジメントシステムの構築

2027年には約6710億ドル規模に達すると予測される世界の医療機器産業は、医療・ヘルスケアの中でも特に大きな市場規模を誇ります。1つの翻訳ミスがもたらす影響は大きく、また企業が守るべきルールも数多く存在するため、翻訳やローカライズに関しては、業界に精通し、欧州医療機器規則(EU MDR)をしっかりと理解している翻訳会社・言語サービスプロバイダーを選ぶことが大切です。

まとめ

EUの医療・ヘルスケア関連企業は、欧州医療機器規則(EU MDR)と呼ばれる新たなガイドラインのもとで活動しています。このMDRは、EU市場への医療機器の投入を予定の全世界の企業に関わるもので、関連する文書やラベルの翻訳・ローカラズがそれを遵守する上での重要な要素となります。

返信を残す

あなたのメールアドレスは公開されません。

X

今すぐメールニュースに登録して無制限のアクセスを

ユレイタス学術英語アカデミーのコンテンツに無制限でアクセスできます。

* ご入力いただくメールアドレスは個人情報保護方針に則り厳重に取り扱い、お客様の同意がない限り第三者に開示いたしません。