研究室を選ぶ際の5つの基準 (1)

研究に熱意を持つ将来有望な若者にとって、「大学の研究室選び」はその人の今後の研究者生活を左右するといっても過言ではありません。研究室選びにおいては、自分のやりたい・興味のある研究ができるというだけではなく、教授の人となりや研究室の環境、就職に有利か……などさまざまな判断基準が存在します。自身の希望をすべてカバーする研究室を選ぶのは難しいと思われるかもしれませんが、今回は研究室選びにおいて「これだけはおさえておきたい」5つの基準をご紹介します。
ここで取り上げる5つの基準は基本中の基本ですが、これだけおさえておけばご自身の希望から大きく外れることはないでしょう。これから研究室を選ぶという方だけでなく、研究室選びについて後輩からアドバイスを求められている先輩研究者・教授の方もぜひご参考ください。
1. 何を研究したいのか?
何よりも大切なのは、自分が興味を持つ研究課題をその研究室で研究できるか、ということでしょう。「この研究が面白くて面白くてしかたがない!」と思える課題に没頭することができれば、他の条件がかなり悪くても頑張ることができるというものです。
自分が研究したいことがはっきりしている場合は、各研究室のウェブサイトを見たり、その研究室に所属している人たちが出版した論文をウェブ検索したりすれば、その研究室で自分の望む研究ができるかどうか、ある程度わかるはずです。しかしここで気をつけておきたいのは、指導教授の興味の移行がウェブサイトや出版物に反映されるまでには、多少の時間がかかるということです。そこで、できるだけ多くの指導教授に会うことをお勧めします。自分のしたい研究に対する感想を聞くのはもちろんのこと、教授が今興味を持っているトピックや将来してみたい研究などを聞けば、長期的な観点での相性がわかるでしょう。
それとは反対に、まだまだ興味を絞ることができていないのに研究室を選ばなくてはいけないという方も多いのではないでしょうか? そのような場合、広範囲の研究を援助する柔軟さを持っている研究室を選ぶことをお勧めします。このような場合も、臆することなく、多くの指導教授と面談し、教授の研究に興味はあるのだが自分の目指す方向がまだ絞り込めていないと相談してみてください。そのときの反応で、教授の指導力、研究への熱意、違った研究への柔軟性がわかるはずです。
2. 自分の将来性に見合うか?
将来希望する就職先の規定に「臨床現場の経験」などの必要条件があれば、その条件をその研究室が満たしてくれそうかどうかということも大切な選択要素となります。教授に面談をお願いする前に、自分が将来希望する進路に関してできるだけ多くの情報を集め、それに対して具体的な質問ができるよう、箇条書きにまとめておくとよいでしょう。
また、教授に会ったとき、自分がどんな仕事につきたいかを話し、それについてどう思うか意見を聞けば、教授のその職種に関する理解度や好感度もわかります。
また、就職活動そのものがたいへんな作業ですから、研究生の就職活動に多少の理解や協力を提供してくれる教授は、将来心強い味方となります。そこで気になるのが、研究室の教授や助教授のそれまでの経歴です。教授陣の多くが同じ大学や同じ大学院の卒業生である場合には、集まる情報も限られてきます。もし、同じような研究室が2つあって選択に悩むようなことになったら、教授陣の略歴を調べて、複数の大学に所属したことがあったり、企業での経験があったりする人など、バラエティのある研究室を選ぶのも1つの手かと思います。

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