「研究論文の英語の時制」

Transcription :

[00:04 – 00:39]

こんにちは。ユレイタス学術出版オンラインセミナー 第4回をご覧いただきありがとうございます。今回のテーマは「研究論文の英語の時制」です。今日は、「論文英語の時制はなぜ複雑なのか」、「学術論文で一般的に使われる英語の時制」「論文の部分ごとに使うべき時制」という3つの側面からお話ししたいと思います。

[00:39 – 01:13]

それでは、まず「なぜ学術論文の英語の時制、tenseは複雑なのか」ということからお話ししたいと思います。皆さんは英語の授業で、「時制の一致」ということ習われたかもしれません。主節の動詞が過去形なら、従属節の動詞も過去形時制に影響を受けるというものです。しかし、科学論文では、必ずしもそうではありません。

[00:39 – 02:18]

では、「学術論文で一般的に使われる英語の時制」についてみてみましょう。論文で使われる英語の時制は、「現在形」、「過去形」、「未来形」の3つです。

まず「過去形」です。ジャーナルによっては、Abstract、要旨の部分での過去形の使用を認めないものもあります。その場合、時制を現在形に改める必要があります。

次に「現在形」です。研究の背景や意味、論文作成時の所感に論じる場合、もしくは時間の影響を受けない法則について説明する場合は現在形が使われます。

「未来形」は、主に論文出版後の状況・状態についての予測に使われます。将来的に何らかの変化をするであろうという推論において「Conclusion、結論」の部分で使われます。

[02:18 – 04:31]

では、「論文の部分ごとに使うべき時制」を見ていきましょう。「Abstract、要旨」の部分では、研究結果を細かく説明する際に過去形を使います。その研究の重要性について論じる際には現在形を使います。

「Introduction、序論」の部分では、研究自体が過去の作業であっても、一般的な法則や、客観的事実、論文作成の際の時分の状況、時間に影響を受けない客観的法則などは現在形で表現されます。過去の研究者の研究結果がいまだに有効であるとして引用する場合、過去形を使えば、その研究者に対する敬意を示すこととなり、現在形を使えばその研究者への信頼を示すこととなるでしょう。時代遅れや、誤っていたことが明らかになっている研究結果を引く場合には、過去形を使います。

「Materials、研究材料」と「Methods、研究方法」の部分では、研究で実際に使用した材料と方法を記述するわけですから過去形を使います。

「Results、結果」と「Discussion、考察」では、結果を過去形で詳しく記述し、そして考察や分析を現在形で行います。研究結果を図表にまとめて考察をする際も現在形で行いましょう。「Conclusion、結論」の部分で使われる時制は一つではありません。重要な結果をまとめる際は過去形を使い、その意味やそれがもたらす影響について語る際は現在形を使います。また、論文出版後に状況が変化するという推論を展開する際には未来形を用います。

[04:31 – 04:51]

今回は、「研究論文の英語の時制」についてお話ししました。次回のユレイタス学術出版オンラインセミナー もお楽しみに。

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