compose, comprise, consist, constitute, form の違い

動詞「compose」、「comprise」、「consist」、「constitute」、「form」の意味は5語とも似ており、いずれにも「構成する」/「構成される」、「成す」/「成る」、「成り立つ」/「成り立たせる」という意味がありますが、正確な意味や用法は異なります。ここではそれぞれの動詞を使った例文とその違い を見ながら、5語の使い分け方を説明します。

■ Compose
The brain is composed of neurons and neuroglia.
「compose」は「consist」と同様、ある構成要素が合成物、複合体、集合体、集団などを作り上げるという状態を表しますが、そうした構成要素が何らかの「過程」や「手順」を経て合成物などを形成するようになったという意味も伝えます。

■ Comprise
This symphony comprises three completely independent and seemingly unrelated movements.
「comprise」は、多くの場合において「consist of」と近い意味で用いられますが、「include」(「含む」)の同義語として用いることもできます。使い方としては、上の例のような「A comprises B (AはBから成る)」や「be comprised of ~(~から成る/構成される)」などが挙げられます。

■ Consist
This set consists of only four points.
「consist」は単に、ある物事がある成分や要素などから成り立っているという意味を表します。また、「A consists of B, C and D」は「AがB、C、Dという要素からのみ成り立つ」という意味を表し、「B、C、D以外にはAの構成要素がない」ということを含意します。

■ Constitute
Their approach constitutes a general method for constructing solutions to this class of equations.
「A constitutes B」は、「AがBを構成する」というよりは、むしろ「Aが構成するものはBに等しい」、あるいは「Bと見なされうる基準を満たす」という意味を表します。

■ Form
With the operation defined above, these four elements form a group.
「form」には、ある合成物と見なされるものがそれを構成する要素の単なる「集まり」ではなく、それぞれの構成要素どうしの関係によって「その集まり以上のもの」になっているという意味が含まれます。

特に学術論文を執筆する際には、意味の似ている動詞を正確に使い分ける必要があるので注意しましょう。

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Dr. Paquette

グレン・パケットGlenn Paquette

1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。

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