第10回 プレゼンに有効な色の組み合わせを知ろう

国際学会でのプレゼンを成功させるには、聞き手を引きこむ英語スピーチに加え、見やすいスライド作りも重要な鍵となります。より多くの人に伝わりやすく・わかりやすい色覚 バリアフリー なスライドを作るために覚えておきたい「カラー ユニバーサル デザイン」について迫る連載シリーズです。


12色や24色のクレヨンや色鉛筆のセットのように、CUD(カラーユニバーサルデザイン)に配慮した色のセットがあれば・・・そのような要望に応えて、CUD推奨配色セットができました。印刷業界や塗装業界では、導入に向けてすでに動き始めています。
 

  1. 多くの色覚型に対応
  2. 色弱の人にも見やすいオレンジ色寄りの赤色はRGB3原色の表現で(R:255, G:40, B:0)の色であると第7回で紹介しました。色の見え方や感じ方には個人差があるため、このような明確な指定はとても便利です。そこで、CUDO (カラーユニバーサルデザイン機構)では、赤色のみならず全部で20色(代替色を含めて22色)の「CUD推奨配色セット」を公開しています。

    CUD推奨配色セット
    http://www.cudo.jp/resource/CUD_colorset

    伊藤啓氏(東京大学分子生物学研究所)によるCUD配色セットの詳細
    http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/colorset/

    推奨配色それぞれの色は、印刷用のCMYK値、画面用のsRGB値、塗装用の参考マンセル値と用途別に数値化されており、実用に即しています。この 配色 セットは伊藤啓氏(東京大学分子生物学研究所)をはじめとするCUDOメンバーと印刷・塗装業界の企業が、さまざまな色覚特性の当事者の協力のもと作成したものです。

    伊藤氏によれば、色の選定にあたっては、人数の多い一般色覚型のC型に違和感がなく、次に人数の多いP、D型に見やすく、T型に不利益にならず、白内障の人の見やすさも確保するなど、多くの色覚型の間の利害を調整しながら行ったと報告されています。逆に言えば、すべての人に最も見分けやすいものでもなく、皆が少しずつ譲り合う考え方の上に成り立っています。
     

  3. 一般パソコンユーザーへの広がりに期待
  4. 推奨配色セットの20色であっても、組み合わせによっては見分けにくい場合があります。そこで、見分けやすい/見分けにくい組み合わせの一覧が上記の伊藤氏のサイトには紹介されています。このようにたいへん便利な推奨配色セットですが、今のところ使いこなしているのは、主にプロのデザイナーということになります。

    一般のパソコンユーザーで色に興味がある人は、推奨配色セットのなかから好きな色をパレットで作って(RGBで指定して)、「CUD赤」「CUD空色」「CUD紫」などと名付けて保存してもよいでしょう。今後もっと簡単に、既成の色パレットからこのようなユニバーサルカラーを選べる日がくることに期待します!
     
     


    参考資料:
    カラーユニバーサルデザイン機構(2009)『カラーユニバーサルデザイン』ハート出版
    東京大学 分子細胞生物学研究所 脳神経回路研究分野研究室ウェブサイト内 色覚の多様性に配慮した案内・サイン・図表等のカラーユニバーサルデザイン推奨配色セット(バリアフリーに配慮した見分けやすい色の組み合わせ)
    岡部正隆、伊藤啓(2005)医学生物学者向き 色盲の人にもわかるバリアフリープレゼンテーション法
    カラーユニバーサルデザイン機構(2013)『カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット ガイドブック』
     

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