assure

動詞「assure」は、「保証」という意味を持つことから「insure」、「ensure」、「guarantee」などといった単語と似ていますが、これら3語と比較すると「保証」の意味での確実性は低くなります。さらに、「assure」の最も自然な用法では、(直接目的語となる)人に対して用いられ、「insure」、「ensure」、「guarantee」が表す「物事を保証する」という意味よりは、むしろ「物事が保証される『と思わせる』」または「物事が保証される『と思わせようとする』」という意味を表します。以下の文は「assure」の典型的な(正しい)使用例です。

[正]The simplicity of this approach assures us of its general applicability.

[正]The patient was assured by his doctor that the side effects of the treatment would be minimal.

また以下は、「assure」に最もよく見られる誤用例です。

[誤]The fact that M is a unitary matrix assures that it preserves the inner product.

[誤]With this method of administration, the active ingredients are stored separately, and not mixed until immediately before ingestion. This assures maximal potency.


上記の例文(3)では「assures」ではなく「insures」、「ensures」、「guarantees」のいずれかを使用するべきです。例文(4)も「insures」、「ensures」、「guarantees」が適用されるべきケースですが、「facilitates」や「allows for」という語を用いることも可能です。
詳しい解説については
グレン・パケット:『科学論文の英語用法百科〈第1編〉よく誤用される単語と表現』(京都大学学術出版会,2004)の第21章をご参照ください。


Dr. Paquette

グレン・パケットGlenn Paquette

1993年イリノイ大学(University of Illinois at Urbana-Champaign)物理学博士課程修了。1992年に初来日し、1995年から、国際理論物理学誌Progress of Theoretical Physicsの校閲者を務める。京都大学基礎物理研究所に研究員、そして京都大学物理学GCOEに特定准教授として勤務し、京都大学の大学院生に学術英語指導を行う。著書に「科学論文の英語用法百科」。パケット先生のHPはこちらから。

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