論文が編集者の目にとまるために学術翻訳会社ができる5つのこと

学術雑誌が受け取る膨大な投稿論文の数を考えると、論文が掲載まで行きつくのは非常に難しいことです。採択されるには、あなたの論文が無数の投稿の中で際立っており、ジャーナルの編集部から高く評価されなければなりません。

母国語での論文掲載の過程でさえ非常に困難ですが、論文を翻訳し、別の市場で出版しようとなると、さらに手順は複雑に思えます。しかし、適切な学術翻訳サービスを利用すれば、単なる翻訳作業にとどまらず、出版社に対する論文のアピール力も増します。

ここでは、論文翻訳会社がジャーナル採択の可能性を高める5つの方法をご紹介します。

  1. 言語面の最高品質を保証

不採択となる最も単純な理由のひとつは、原文のミスを見逃し、それが翻訳コンテンツに含まれていることにあります。たとえ単純なミスであっても、採択される可能性は一気に低くなってしまいます。翻訳者は、依頼された投稿を一流の翻訳記事に仕上げることによって、採択の確率を大幅に向上させることができます。

翻訳者は以下のような項目に注目します。

  • 文法規則

記事の読みやすさを向上させるために文法を確認します。原文には文法的な間違いがなくても、翻訳者の選定を誤ると、翻訳文に文法ミスが発生することもあります。

各言語には独自の文法規則があり、翻訳者はターゲット言語に精通し、その違いを認識していなければなりません。例えば、日本語には過去と現在の2つの時制があるのに対し、英語では過去・現在・未来の3つの時制を用います。日本語から英語に論文を翻訳する場合、翻訳者が相応しい時制を選択できなければなりません。

  • 言葉の選択

同じ言語を話す国々の中でも、同じ意味を表す言葉が異なることがあり、翻訳者はターゲット地域で同じ考えを表現する言葉を選ぶのに苦労することがあります。熟練した翻訳者であれば、適切な意味が伝わるよう。

  • 専門用語

学術翻訳を複雑にしている問題のひとつに、複数の分野・業界が存在し、それぞれが独自の専門用語を使用することが挙げられます。正しい表現を用いるために、翻訳者は業界のトレンドや基準を熟知し、新しい専門用語に常にアンテナを張っておく必要があります。

論文の正確な翻訳のために、学術翻訳会社はターゲット言語のネイティブスピーカーである言語スペシャリストを手配します。ターゲット言語を知り尽くしているため、翻訳者は文法や構文を間違えることなく作業することができます。加えて、学術翻訳会社はその分野の専門家である言語のプロを配置する必要があります。

2. 明確かつ簡潔な表現を実現

翻訳に誤りがないことの確認にとどまらず、有能な翻訳者は、明確で簡潔な翻訳文に仕上げることができます。翻訳会社は、依頼者の論文が競合に差をつけることができるよう、以下のような点をサポートします。

  • ターゲット読者の心に響く表現に

出版社があなたの論文の採択を検討する際、新しい読者に届くものであるかを見ます。翻訳のプロセスでは、翻訳チームが文章の自然な流れ、段落やセクションのつながりを意識することが重要です。何か流れの違和感に気づいたら、依頼者と話し合います。

  • 最適な言い回しへの変換

学術論文を翻訳する際、明確な対訳がないフレーズや複雑な文章があります。間違った判断がなされると、論文の読みやすさに影響します。高度な技術を持つ翻訳者なら、フレーズを言い換えたり、文章を修正したりして、ターゲット言語で意味をなすように変換することができます。

  • 初めからその言語で書かれたかのように読める訳文

翻訳者は、ターゲット言語のネイティブスピーカーであると同時に、ソース言語の専門家でもあってはじめから原語で書かれたかのような論文に仕上げることができるのです。例えば、複数の定義がある単語は誤訳しやすいですが、両方の言語に精通した翻訳者であれば正確に訳すことができます。

3. 文化的背景への配慮

翻訳した論文がその地域の文化に寄り添っていれば、出版に非常に有利に働きます。逆に、文化的に不正確・不適切な内容が含まれる場合、論文の不採択は覚悟しなければなりません。このような事態を防ぐために、翻訳者は次のようなチェックを行います。

  • 母国語では意味が通じても、ターゲット読者を戸惑わせる可能性がある文化的な言及を差し替える。例えば、地元の伝統、音楽、行事などに関する言及は、対象読者に伝わらないため、審査を担当する編集チームが不採択を検討する可能性があります。しかし、翻訳者がターゲット読者に合うように情報を修正すれば、論文がジャーナルの読者層の関心に合致する内容であると認識されるでしょう。
  • 慣用句やジョークなど、翻訳するとたちまち意味が失われてしまうものは、代わりの表現に置き換える。こうした文化的なニュアンスをそのまま翻訳しても、意味が通じず、場合によっては失礼に聞こえる可能性さえあります。翻訳者は、ターゲット言語で類似の表現を見つけることで、恥ずかしい文化的な間違いを回避することができます。
  • 論文のコンセプトが読者に受け入れられる内容かを確認する。学術論文では、賛否の分かれる研究を扱うことがあるため、論文の内容が新しい読者に不快感を与えないように書かなければなりません。このため、翻訳者は、ターゲット地域の読者がコンセプトを受け入れやすくなるような表現を提案します。

4. 雑誌のスタイルとフォーマットに合わせた翻訳

早急に翻訳者を探すことだけに専念し、出版社の投稿規定には翻訳後に合わせればいいと考えるかもしれません。しかし、翻訳後の修正は、かえって時間がかかり、場合によっては論文がリジェクトされる危険性もあります。

理想的なのは、ジャーナル選択のサポートを提供し、その地域や雑誌固有のスタイルとフォーマットのガイドラインを熟知している学術論文翻訳会社を見つけることです。最初からこれらのガイドラインに準拠すれば、細部への配慮に出版社も目を留めるでしょう。

スタイル要件は出版社によって、また特にそれぞれの国によって異なることを覚えておいてください。要件の違いには次のようなものがあります。

  • スペースとフォーマット スペースとフォーマットの設定は、査読者が最初に気づく項目の1つです。論文が書式基準を満たしていなければ、それは一目瞭然で、査読チームによるあなたの論文の評価にも影響します。
  • 表と図 投稿前に見落としがちなのが、表や図をどのようにフォーマットすべきか、という点です。スペースやフォーマットのガイドラインと同様に、出版物のルールに従っていなければ、査読者はすぐにわかります。翻訳会社と協力して、論文がこれらのガイドラインに適合しているかを確認しましょう。
  • 参考文献のスタイル どの雑誌にも引用のガイドラインがあり、翻訳者はそれをよく理解しておく必要があります。後で変更するつもりで違うスタイルを使い、誤ったスタイルのまま投稿してしまうと、投稿に対する誠実さに欠けると査読者が解釈するかもしれません。
  • 字数 翻訳が完了した論文は、その出版物の基準に合う語数であることが必須です。翻訳によって字数が変わることを忘れずに、翻訳者と相談して投稿規定に合う形にしましょう。

翻訳会社のツールの充実度を確認する

翻訳会社によって、翻訳作業に利用しているツールの種類や提供するサポート体制はさまざまです。そのため、翻訳のサービスが充実していることはもちろん、投稿サポートが充実している翻訳会社を探すようにしましょう。

まず、厳しい品質保証プロセスを持つ翻訳会社に翻訳を依頼していると、出版社に良い印象を与えることができます。細部にまでこだわった翻訳の正確さに対する自信と責任感が品質保証プロセスに表れます。このようなプロセスを経て、最終的な論文に誤りがないか、文化的に適切か、新しい読者の心に響くかどうかが検証されます。

この時、最終的な翻訳文の推敲をバイリンガルの分野の専門家が行ない、すべての要件が満たされていることを確認する必要があります。さらに、校正者がレビューし、原語で書かれたような自然な文章に微調整します。

品質保証プロセスに加え、学術翻訳サービス会社は、用語の最新かつ包括的なデータベースを維持する翻訳メモリ・システムを提供しています。このツールを使用すれば、論文の一貫性が保たれ、出版社へのアピールになります。

また、翻訳ツールのほかにも、以下のような出版サービスを提供している会社もあります。

  • プレ査読(ピアレビュー) このサービスを利用すれば、該当分野の専門知識を持つレビュアーから専門的なフィードバックを受けることができます。プレ査読者のレビューを受けて、投稿前に論文の完成度を高めることができます。
  • 盗用・剽窃チェック これは、翻訳前に利用すべき重要なサービスです。たとえ意図的でなくても、投稿した論文に剽窃が発見された場合、間違いなく出版社からリジェクトされます。このツールを使用することで、翻訳後の剽窃の疑いを回避し、今後の研究活動にもかかわる信頼を守ることができます。
  • アブストラクト作成サービス 優れた第一印象を与える最も効果的なの方法は、よくできた要旨(アブストラクト)を作成することです。このサービスは、新しい市場に向けてアブストラクトを微調整する際に特に有効です。出版社の注目を集めるだけでなく、閲覧回数を増やすためにデータベースの検索にヒットしやすい重要なキーワードを追加します。

学術出版は競争が激しいため、他の投稿論文に差をつけることが重要です。最適な論文翻訳会社と提携することで、論文が受理されるかが左右されます。自分の努力が評価されるチャンスですので掲載という目標を全面的にサポートしてくれる翻訳会社を選びましょう。

まとめ

競争の激しい論文のジャーナル誌掲載。編集者の目に留まる論文を書くことは簡単ではありません。学術翻訳会社がどのように論文の出版を支援し、研究分野で影響力のある研究者となる道を開くのに役立つかをご紹介します。

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